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【10月21日】 日本最古の着色された装飾品 発見

2021-10-21

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日本最古の着色された装飾品(ニシキツノガイ)に付着した顔料
写真提供:沖縄県立博物館・美術館

2013年にガンガラーの谷 サキタリ洞遺跡で出土した旧石器時代の貝製ビーズ。
今回、詳しい分析の結果、日本最古(約2万3000年前)の着色された装飾品であることが明らかになりました。

日本では、約3万5千年前以降、赤色顔料が利用されていたことが分かっていますが、顔料の使用目的などの詳細は明らかになっていませんでした。
貝製ビーズに意図的に赤い顔料が塗布されていたことで、顔料の使用目的や使用方法が具体的に明らかになりました。

サキタリ洞遺跡では、2009年より継続的な発掘調査が行われ、過去4万年間の地層が極めて良好な状態で保存されていることが明らかになっています。
これまでの発掘調査の結果、約3万年前の人骨、約2万3000年前の世界最古貝製釣り針、約1万4000年前の石英製石器、約9000年前の沖縄最古 押引文土器、城時代(11世紀ご頃)など多くの遺物、遺構が検出されています。

サキタリ洞遺跡で出土した貝製ビーズ

今回確認された着色が確認されたニシキツノガイのビーズが発見された調査区からは、他にも顔料原料(約2万3500年前)や顔料塊(約1万6000年~1万3000年前)が確認されており、後期旧石器時代を通して赤色顔料が利用されていたことが示されました。

顔料原材(左:約2万3500年前)
顔料塊(右:約1万6000年ー1万3000年前)
写真提供:沖縄県立博物館・美術館

連結したツノガイ類のビーズ(約2万3000年前)
写真提供:沖縄県立博物館・美術館

また、複数個体が連結されたツノガイ類製ビーズが確認され、殻頂と殻口の向きを揃えた状態の複数のツノガイ類ビーズが紐で連ねて使用されていた可能性が示唆されます。

古代の人々も現代人とおなじように装飾品や顔料で身を飾る豊かな精神性と「余裕」を兼ね備えた人々だったと考えれています。

発掘調査を行っている沖縄県立博物館・美術館 山崎真治氏(主任学芸員)は以下のようにお話してくれました。
「とても質の良い顔料を塗布していたため貝に顔料が残ってくれていたのだと思う。
今回発見された顔料は酸化鉄由来であり、サキタリ洞遺跡周辺の土とは異なる。
離れた場所から運んできたのではないだろうか。当時の人々は、赤い色であれば何でもよかったわけではなく、発色の美しさやしっかりと着色できるようにと質にもこだわりがあったのではないか。」

古代の人々は、こういった装飾品とともに、どのような暮らしをしていたのでしょうか。
山崎氏からはいつも調査にかける熱い想いが伝わってきます。
旧石器時代と変わらない風景の鍾乳洞 ガンガラーの谷サキタリ洞。

この場所での発掘調査はこれからも続きます。

◆ガンガラーの谷はガイドツアー専用エリアです(要事前予約)

◆ガンガラーの谷の発掘調査について
https://gangala.com/excavation_interview/
研究者の方のインタビューも掲載されていますよ。

◆ガンガラーの谷で発見された武芸洞人(約2,500年前)の顔が遂に復元!沖縄県立博物館・美術館で展示中!
※日本最古 約2万3千年前の着色された装飾品(貝製ビーズ)も10/22(金)より企画展「海とジュゴンと貝塚人」にて展示されます

【企画展】海とジュゴンと貝塚人 ー貝塚が語る9000年のくらしー
https://okimu.jp/museum/column/1634531092/
【期 間】2021年10月15日(金)~12月5日(日)
【みどころ】貝塚から出土するさまざまな骨や貝殻等から、古代の人々の「豊かなくらし」 を読み解きます。 復元された ガンガラーの谷 武芸洞人の顔も必見です!





こんなに詳しい解説動画はガンガラーの谷公式だけ!!
ガンガラーの谷公式YouTubeチャンネル
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◆10/22(金)より期間限定で南城市周遊バス運行開始

【期間】2021年10月22日(金)~2022年2月20日(日)まで
※月・金・土・日・祝日を中心に運行


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