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【発掘調査2021】炉跡らしきもの発見
2021-10-25
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今年度、新しく調査を始めた区画(ガンガラーの谷内)にて炉跡(たき火の跡)らしきものが発見されました。
指差ししている石の内側あたりの土、少し黒っぽくなっているのがお分かりでしょうか。
注意深く観察しないとと見逃してしまいそうなくらいの微妙な色の違いです。
実は、その近くでは土器らしきものも確認されています。
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小さいスコップや竹串、ハケを使いながら、丁寧に、慎重に、焦らず掘り進めます。
焼け焦げたカニの爪やイノシシの骨、チャートの欠片もでてきました。
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石器などを作る際に欠けた破片ではないかということです。
チャートはガンガラーの谷周辺にはないため、どこか離れた場所から運びこまれたと考えられています。
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おやっ、何か見つけたようです。
発掘調査はただ掘り進めるわけではありません。
出土してきたものや、掘っている状況を研究者同士で確認しあい、調査の進め方を検討していきます。
何か気になるものが見つかったり、「これは何だろう・・・」と思う場面に出くわしたときは掘る作業を一時中断することもあります。
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掘り出された土は水洗いし、残ったものを保管し、詳しい分析を行っていきます。
ちなみに、こちらの調査区では堀り始めた1日で土嚢25袋分の土が回収されています。
時間がかかる水あらいですが、調査には欠かせない大切な作業です。
土から取り出されてすぐに詳しい分析が行えるわけではありません。
そのため、とても重要なものがでてきても、公表されるまでに数年かかることも珍しくないんですよ。
ちなみに、先日全国的なニュースにもなった「国内最古の着色された装飾品(約2万3000年前の貝製ビーズ)」は、
2013年:貝製ビーズ発見
2016年:その年代等が公表
2021年:貝製ビーズに赤色顔料が着色されていることが公表(10月21日)
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サキタリ洞遺跡 調査区Ⅰ(ガンガラーの谷 ケイブカフェ内)
国内最古の着色された装飾品(貝製ビーズ)が発見されたすぐ傍は人がすっぽりと入れるくらいの穴があります。
毎年、慎重に掘り進め、すでに約3万5000年前~4万年前の地層まで確認されています。
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今年度の発掘調査は11月上旬までを予定しています(毎日ではありません)。
運が良ければ、ガンガラーの谷ガイドツアー中に研究者のお話をきけるかもしれません。
◆ガンガラーの谷はガイドツアー専用エリアです。※要事前予約
◆ガンガラーの谷の発掘調査について
https://gangala.com/excavation_interview/
研究者の方のインタビュー、発掘調査の近況報告などが紹介されています。
◆ガンガラーの谷で発見された武芸洞人(約2,500年前)の顔が遂に復元!沖縄県立博物館・美術館で展示中!
※日本最古 約2万3千年前の着色された装飾品(貝製ビーズ)も企画展「海とジュゴンと貝塚人」にて展示!!
【企画展】海とジュゴンと貝塚人 ー貝塚が語る9000年のくらしー
https://okimu.jp/museum/column/1634531092/
【期 間】2021年10月15日(金)~12月5日(日)
【みどころ】貝塚から出土するさまざまな骨や貝殻等から、古代の人々の「豊かなくらし」 を読み解きます。 復元された ガンガラーの谷 武芸洞人の顔も必見です!
【期間】2021年10月22日(金)~2022年2月20日(日)まで
※月・金・土・日・祝日を中心に運行
ガンガラーの谷