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発掘講演会(2/6開催)の様子 「サキタリ洞遺跡の発掘成果と沖縄の海洋文化史」

2021-02-08

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会場の様子

2月6日(土)にガンガラーの谷 ケイブカフェ(サキタリ洞)で行われた発掘講演会「サキタリ洞遺跡の発掘成果と沖縄の海洋文化史」

ご来場の皆さま、ライブ配信をご視聴の皆さま、ご参加ありがとうございます。

講師はサキタリ洞遺跡発掘調査の中心的役割を担っている沖縄県立博物館・美術館 主任学芸員 山崎真治氏。

講師 沖縄県立博物館・美術館 主任学芸員 山崎真治氏

2009年から発掘調査が行われているサキタリ洞遺跡では、3万5千年前以降の人骨や動物遺体等が発見されており、2万3千年前の世界最古の釣針や1万4千年前の石英製石器、9千年前の沖縄最古の土器、5千500年前の沖縄最古の顔料など、重要な発見が相次いでいます。

今回の講演では、サキタリ洞遺跡での調査成果だけでなく、「人類がどのように拡散していったのか」「食性はどのように変化したのか」「古代から進化してきた沖縄の海洋文化史」などについても分かりやすくお話してくれました。

会場にはサキタリ洞遺跡で実際に出土した遺物を持ってきてくださいました。

サキタリ洞遺跡で出土した遺物の一部(旧石器時代 約2万年前~2万3千年前の地層から出土)

中央にある小さいものが貝製の釣り針(レプリカ)。

とても精巧にできていますよね。サキタリ洞遺跡で出土した世界最古2万3千年前の釣り針は1.4㎝ほどの大きさ。同じ時代の地層からは魚やウナギの骨もみつかっています。海や川の生き物を釣っていたのでしょうか。。。

サキタリ洞遺跡で発掘調査を行っている国立科学博物館 研究員の藤田氏は実際に貝製の釣り針を作り、全長95cm・体重3㎏のオオウナギを検証実験で釣りあげることに成功しています(水面まで引き上げ後、タモ網使用)。

また、山崎氏や藤田氏がサキタリ洞遺跡は「カニの洞窟」とおっしゃるほど、モクズガニの爪が沢山発見されています。

その数、1万点以上。

カワニナの写真(上)をみると、黒く焼けたあとがあるものがあります。食べていたにちがいない、と考えられています。

「シカちゃん以外は今もこの近くにいるんだよね。。。」と展示された遺物をみながら微笑んでいた山崎氏。皆さまに発掘調査のお話をすることがとても楽しくて嬉しいんだという想いを感じました。

ちなみに、今回一押しの展示は「釣り針」かと思いきや、「地層の断面」でした!

「美味しそうでしょ~」とこれまた嬉しそうにすすめてきます。チョコクランチ、雷おこし、どんなお菓子がいいかなぁ、、、そんな風に考えて地層を観察するのも楽しいですね。

地層断面(調査区Ⅰ Ⅱ層・Ⅲ層) 樹脂で固めたもの

上側の黒い部分がⅡ層(2万年~2万3千年前)、下側の赤っぽい部分がⅢ層(2万3千年前よりも古い)の地層です。

Ⅱ層(2万年~2万3千年前)からは釣り針だけではなく、貝を利用した加工具やビーズ、人の歯などが見つかっています。

Ⅲ層(2万3千年よりも古い)からは幼児の骨やリュウキュウジカの骨などが発見されました。

今回のはサキタリ洞遺跡の調査区Ⅰを中心としたお話でしたが、他の調査区でも貴重なものが発見されています。そのお話も今後皆さまにお伝えできる機会があればいいですね、というと、「ぜひ喜んで!」とおっしゃってくれた山崎氏。

今回、アーカイブ配信でも沢山の方に講演会をご視聴いただきました。

皆さま、本当にありがとうございます。

ご来場の皆さまには感染症拡大防止対策にご協力いただき感謝申し上げます。

ライブ配信ではチャット欄にご質問をお寄せいただきありがとうございます。

発掘調査は継続して行われています。今後のサキタリ洞遺跡の調査にどうぞご期待ください。

調査区Ⅰ
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