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海を越えた哺乳類。空飛ぶキツネと舟を作るヒト

2019-06-06

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こんにちは。スタッフの中村です。梅雨に入ってから、比較的乾燥していましたが、少しずつ雨の日も増えてきました。

谷を歩くと、鳥やセミの鳴き声が聞こえてきます。姿を探して、空を見上げると、枝の先に揺れる黒い物体を見かけることがあります。

オリイオオコウモリです。その名の通り、翼を広げると50cmを超えることもある大きいコウモリです。

別名はフルーツバット。夜になると、谷内のアカギや芝生の広場のトックリキワタの実を食べているようです。広場の樹の近くには、コウモリの実の食べかすが落ちていることもあります。

洞窟に住む小さなコウモリは超音波を使って移動しますが、オオコウモリは超音波ではなく視覚で移動します。鼻も長くて、キツネみたいな顔なので、英名はFlying Fox(飛ぶキツネ)。ちなみに、洞窟など狭い場所に住む小さなコウモリのことをBatと呼びます。

鳥のように空を飛びますが、私達と同じ哺乳類です。よく見ると、先ほどのコウモリは赤ちゃんを抱きかかえています。

(親コウモリの左下にも目があります。)

このように、洞窟の天井や木の枝などにずっとぶら下がり続けられるのは、体が軽いからです。

楽に空を飛ぶために、体をなるべく軽くする。そのために、足の筋肉を少なく進化していてきたので、コウモリは歩けないんのだとか。

歩くことを捨て、飛ぶことを選んだコウモリ。哺乳類の中で、自力飛行が出来るのはコウモリだけです。

きっと、その翼で海を越え、沖縄にやってきたことでしょう。石垣島と宮古島では、後期旧石器時代~完新世の地層(28000年前~10000年前)からオオコウモリの化石が見つかっています。

遥か昔、コウモリと同じように自力で海を渡り、沖縄で暮らしていた哺乳類は他にもいます。

私達ヒトです。その証拠として、沖縄では後期旧石器時代の人骨と人の生活痕跡が次々と見つかっています。

3万年以上前に日本列島に移り住んだヒトは、どんな舟でどのように海を渡ったのか?長年の謎を解き明かすために始まった壮大な実験。

3万年前の航海徹底再現プロジェクトは、いよいよ6月25日~7月12日に最後の挑戦を迎えます。

今回も様々な発見に繋がる航海となるといいですね。みんなで応援しましょう!

参考資料

「ズバッと解決!? コウモリの不思議」 著者 沖縄こどもの国 吉岡由恵
http://www.doubutsu-no-kuni.net/?p=1757

「琉球諸島におけるクビワオオコウモリの分布の変遷」  著者 岡山理科大学理学部動物学科 中本敦  https://www.jstage.jst.go.jp/article/mammalianscience/57/2/57_267/_pdf/-char/ja

スタッフ
中村

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